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大いたち橋・小いたち橋
いたち川プロムナード沿いの区中心施設である、区役所・スポーツセンター・公会堂と対岸の柏陽高校との間に中州を挟んで架橋された大小2橋の人道橋の計画である。 橋のデザインモチーフとデザインストーリーをいたち川の「いたち」から導き出すという設定条件のもと、大いたち橋(大きい橋)の親柱をいたちの頭と尾、高欄を胴体に、又、小いたち橋(小さい橋)の親柱を青年いたち、子供いたちに見立ててそれぞれの橋の親柱を彫刻家の井上麦氏が制作担当した。 大いたち橋と小いたち橋の間の中州の広場には、このいたち家族の団らんのためのテーブルを設け、訪れる人それぞれのゲストとして向い入れるという物語も設定した。 子供いたちの親柱彫刻はべンチとしても機能し、子供が腰掛けることができるように出来ている。 -
広島駅前大橋計画
駅前大橋の景観構成の一つの課題は、駅舎より広場へ出た時に橋がどう見えるかということである。そこで、それ自体広場ともいえる橋の中央に、高さ水面上30mの構造柱である白い塔を配した。この塔は平和都市広島の理想とする未来を指し示すように南西に向かって天に伸び、広島の玄関口にふさわしい平和と希望のシンポルとなる。 夜間には塔の先端からレーザービームが上空に投射される。塔の先端からは橋全体に斜張線が広がり覆い、これによって川の上、下流から眺めたときは透明なピラミッドのように見える形態を備えている。 橋の福は約60mであるが、これを対抗する車道と歩道とにはっきりと分け、中央に二筋、両脇に一筋ずつのスリットを配して、暗くなりがちな橋の下の空間に天空光を入れることを考えた。 手指、照明、舗装などには建築装節的な、単純だが豊かなディテールを用いて、親しみのある表情をもたせた。