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寳生教東京本部教会
伊勢神道系の神道教会である。神田川に面した狭い敷地に、教会の神殿・礼拝殿、集会施設、宮司の住居という複令した用途を5層の建物としてまとめ、かつ宗教建築らしい雰囲気とシンボリズムをどう表現ずるかが課題だった。 必要な空間量に対する、道路斜線、隣地斜線などの法的制約の厳しさにより、建物・のプロファイルを必然的に斜めの線で構成するものとした。当初から神社の鳥居をモチーフとする考えがあったが、この制約条件が手がかりとなって、神道と太陽信仰という点で共通するエジプトの神殿の塔門(パイロン)の形態が頭に浮かんだ。 神道の神社に特徴的な道行きの長さを建築的に確保するために、道路側建物入口から導入し、Uターンを二回するかたちで礼拝殿に至るようにした。また玄関を入ったすぐの所に屋内のせせらぎを設け五十鈴川のかたどりとした。神殿はその上部のトップライトから自然光を取り入れ、かつ両脇背後の縦スリット窓から外部の樹が見えるようにしており、自然の中の社殿の雰囲気を持たせた。 構造方式は、最も大きな空間である礼拝殿から神殿にかけて、建物の長手方向に大スパンを取る必要があるのと、その上にさらに二層の住宅を載せるために、フィーレンディールトラス群を長手方向に採用してきわめてユニークなものとなった。